「絶対に諦めない!」が力を生み道を拓く

人間の体には、まだ科学で解明しきれていない多くの謎があって、”不思議”と言われるような様々な驚くべき力が備わっている。

これはよく言われることですし、わたしもそれを強く信じています。

ただ、そうは言っても、それを生きた体験として目の前で魅せていただいたときには、やはり驚きますし、一方で、自分が信じてきたことが間違っていなかったのだと、安堵のような気持ちが湧いてきます。

 

 

 

脳梗塞の後遺症で半身が不随になったけれど、懸命なリハビリの結果、少しずつ手が動くようになってきた矢先、脊髄の組織の一部が壊死してしまうという不幸に見舞われた方がいらっしゃいます。

それでも、「動くようになる気がするのよ」と、決して諦めることなくリハビリに取り組んでいらっしゃる。

そんな頃ご縁をいただき、それから何回か施術をさせていただいています。

 

施術の度に毎回感じ、思うのは、その方の諦めない気持ちと呼応するように、その方の体も様々な反応を返してくれること。

そして先日、また一つ大きな反応を返してくれました。

 

 

足先から施術を始め、脚全体、そしてお腹から胸へと施術していた時のこと。

「なんか暑くなっちゃったわ」とおっしゃいます。

「右脚がね、熱いのよ」

「えっ?」と、一瞬その方のお顔をじっと見つめてしまいました。

脳梗塞の影響で、それまでは痺れも痛みも、何も感じることのなかった右脚。

その日も、施術前にわたしが触れても、「右脚は何にも感じないわね」と当然のことのようにおっしゃっていた右脚。

その右脚に熱さを感じられている!

思わず「右脚が熱いんですか?」と聞き返してしまいました。

「そう、右脚が熱いの」

「感じていらっしゃるんですね?」とお聞きすると、そこで初めてご自分の体に起こっていることの大きさに気づかれたようで、

「あ!本当ね、そうね、感じているわね!」と、初めて驚きの表情が浮かびました。

 

 

たぶん医学的(科学的)には、感覚が戻ることすらほぼゼロに等しいことなのでしょう。

(実際、お医者さまからはそのように言われていたようですし)

でも、「何だかわからないけれど動くようになる気がする」と、ご本人は諦めてはいらっしゃらなかった。

だからご自分でできることをがんばってやっていらっしゃった。

それが結果として表れた、ということなんですよね。

 

そのことをご本人は「みんなのおかげ」と言われるし、もちろんその感謝の気持ちはとても大切なものだと思います。

でも、そのみんなの助けを引き寄せ、それを十二分に活かすことができたのも、ご本人の強い気持ちがあったから。

いくら周囲の人ががんばって!と励ましても、いくら持てる技術や力を全て使って助け、応援しても、本人に治る気持ちがなければ何を変えることもできない。

最後にものをいうのは、やはり本人の「絶対にあきらめない」という強い気持ちと、そこから生まれる”不思議”と言われる力なんです。

そのことはしっかりと知っておいていただきたいと思い、力説してきました(笑)

 

 

 

自らを治癒する力が体には備わっている。

 

わたしの仕事は、頭での知識や技術だけを頼りにするのではなく、むしろその知識を一旦脇へ置いて、体自身に問題の答えをたずね、教えてもらうこと。

言ってみれば、ただひたすらに相手の体に教えを乞う。

そんな、ともすれば「怪しい」と受け取られても不思議ではない施術を(笑)理解し、信じ、自ら受け入れてくださる方の存在は、わたしにとってありがたいの言葉一つで済まされるようなものではありません。

その信頼の重みをいつも心にとめて、本当の意味でいつでもその方の体に寄り添うことができるよう、そしてその時どきに最も良い状態になっていただけるよう、常に心と体を柔らかく広げていたいと思います。